2001年・下半期(7月〜12月)


<大胆不敵なじいちゃん>

引っ越してからというもの、夕方はこうくんとの散歩が日課。
こうくんは手をつないで歩くのがすごく苦手で、すぐに座り込んだり
手をふりほどいて走っていってしまうので、この散歩は大変体力がいる。
ホントに急に走り出すし、マジで早いので、瞬発力を要する。
最近、体重の増加が激しく、こうくんを追いかけるのがとっても大変な母の
なさけない姿を見かねたばあちゃんが、
毎日のウォーキングで鍛えた自慢の足でこうくんとの散歩役を買って出てくれた。
そして最近では、結構手をつないで歩けるようになってきた。
すごい! すごい!さすが、ばあちゃん!!

今日、仕事で遅くなるばあちゃんの代わりに、じいちゃんが
こうくんを散歩へ連れていってくれた。
30分経っても戻ってこない。
45分経っても姿が見えない。
食事の支度をしつつ、気が気ではない母。
1時間後、ようやく戻ってきたじいちゃん&こうくん。
良かった〜無事で(T.T)
こんなトコで迷子になっちゃったら、それこそ村の消防団集めて山狩りだよっ。

帰宅したばあちゃんに、自慢げに語るじいちゃん。(ほろ酔い)
「いいか?おまえもな、追っかけたらいかんて。
だーっと走って行っても、知らん顔しとればええんだ」

ま・・・まさか、じいちゃん、走っていくこうくんを追いかけなかったの???

「そんなん、いかんわ。ちゃっと、おいかけな、どっかに落ちるわ」
反発するばあちゃん。

そうだ、そうだ、もっと言って!!こうくんの命を守る為に。

「おれが座ってタバコをふかいとったら(げげげげ!!!じいちゃん、
こうくんほっといて、タバコすっとったんかい!!勘弁してくれ〜〜〜)
ちゃあんと、戻って来たぞ」

えええええええええ???
こうくんが、自分で戻ってきた????
そんな馬鹿な。
半信半疑の母&ばあちゃん。
この1ケ月、ばあちゃんと母の二人三脚で、こうくんをみてきた。
もちろん、こうくんはじいちゃんが一番のお気に入りだけど、それは遊んで
くれるからで、じいちゃんが育児や療育に参加していたわけではない。
母が仕込んだばあちゃんは、母から見てもかなりイイ線いってたのだ。
ばあちゃんは去年「Nの村」という知的障害者更生施設へ
お掃除のボランティアに行っていたという輝かしい経験を持つ。
大人の重度自閉症児に関しては多分私より詳しい。
当然、こうくんを責任もって世話している意地とプライドがある。
暇なときにちょいと遊んでたじいちゃんとは違う。

「そんなん、偶然かもしれん。
絶対、目ぇ離したら、いかんよ。」
じいちゃんに意見するばあちゃん。

自信たっぷりのじいちゃんは
「そんなこと言ってたら、経験ができん。
おまえらは心配しすぎだでいかん。」
と、平気な顔。

じいちゃんは、なんと、こうくんを田んぼのあぜ道に置いたまま、
横を流れる川に降りて、タオルをぬらして、こうくんの体を拭いてくれたらしい。
うそだろ〜〜〜
10秒で消えることができるんだよ、こうくんは!!!!!
わたしゃ、家の鍵閉める間だって逃げないようにこうくんをつかんでるんだよ。

良く、無事に帰ってきたなぁ。
すごいなぁ。奇跡だよ。
もしかして、じいちゃんが言うように、私達はこうくんの能力を過小評価
してるんだろうか?
そう反省して、家の庭で遊ぶこうくんをちょっと遠くから観察していたら、
やっぱり、やっぱり、ダメじゃんか〜〜〜
一瞬にして道路に飛び出してるじゃんか。
車にひかれちゃうよぉ。

大胆不敵なじいちゃん。
もしかしたら、知識に左右されない純粋なじいちゃんの愛情が
こうくんの隠れた能力を引っぱり出してくれることがあるのかもしれない。
でもね、じいちゃん、お願いだから、こうくんの命だけは守ってね・・・・

(注・じいちゃんがこうくんを野放しにしたのは、車は殆ど来ない農道です)
<宣戦布告!!>

朝起きたら金魚が4匹死んでいた。
夕べまでは元気に泳いでいたのに・・・

おとといの夏祭りで、バボーは4匹の金魚をすくった。
いとこがすくったのも含めて10匹いた金魚が6匹になってしまった。
時間があると金魚を眺めてなごんでいた母はとってもショックを受けた。
じいちゃんいわく「おまえがエサなんかやるでいかんのだ」
うううっ、そりゃぁ、「しばらくはエサは与えるな、水も換えるな」
というじいちゃんの言いつけを破って、
こっそりエサをあげてしまったけれど(バボーのおしゃべりっっ)
それって母性本能だと思うの。
金魚たちは屋台に並ぶ前に移動してるから、もちろんエサは与えられていない。
絶対お腹がすいてると思ったんだモノ。
コンプレッサー(空気の力で汚れをおとす優れモノ、じいちゃんの小道具の一つ)
でブクブクやって、酸素だってマメに与えていたのに・・・・

でも、じいちゃんには絶対さからえない。
何しろ、じいちゃんには「実績」がある。

我が家の庭には池があって、体長60センチ以上もあるりっぱなコイと
20センチくらいの金魚が棲息している。
そいつらの誰かががこの春めでたく産卵した。
コイの餌食になってはいかんと、
じいちゃんはプラスチックのでっかいコンテナに水を張って、卵を移した。
で、な〜んとビックリ、ふ化に成功した。
3ケ月後の現在、体調5ミリから3センチくらいの稚魚が
コンテナの中で元気に育っている。
コンテナの水は一度も換えたことがなく、ものすごい量の水苔でもう、真っ黒。
まるで沼。
あまりに黒くて、最初はナンにも見えないのだけれど、
指で水面をかき回してよく見ると、赤や黒の稚魚がうようよ泳いでいる。
池に黒い金魚はいない。
もしかして、コイの稚魚もいるのかも!?
断っておくが、コンテナにはな〜〜〜んにもしかけはない。
ただ、プラスチックのでかい箱に黒いネットがかぶせてあるだけだ。
おかしい。
「滞る水は腐る」のが自然の摂理じゃないのか。
あのコンテナの中で食物連鎖が成立し、生態系をなしているなんて、
そんなばかな・・・・

バボーの金魚が死んだ原因は絶対「酸素不足」だ。
昼間は母がコンプレッサーでブクブクやってたけど、夜はやってない。
母は活性炭入りの浄化装置のついたエアポンプを購入し、
バボーの金魚鉢に設置した。(取り付けたのはもちろん父だ)

ローテクなじいちゃんに負けるわけにはいかない。
あんな、ナンにも見えない真っ黒な水の中で金魚を飼うなんてイヤだ。
母はハイテクでバボーの金魚を池の鯉が食べちゃわないくらいの
大きさにまで、りっぱに育て上げてみせるわっっっ。

じいちゃんのローテク水槽 バボーのハイテク金魚鉢


(注・じいちゃんはプロです。良い子のママは決して真似をしないで下さい。


<せっぱつまった日曜大工>

平日は長距離通勤の為に戦力外のこうくん父。
土、日にたまった仕事を片づけます。

7月のとある日曜日、
家の倉庫から不要になった「ハシゴ」を何本か取り出して来て、
なにやら作り始めました

どこからどう見ても
ハシゴですな〜
え??
まさか・・・・
(#O_o#) すげ〜。
立派な本棚だ〜〜〜

でも、もちろん分かっていました。
8月のとある日曜日。

またまた、日曜大工です。
でも、これは悠長な趣味ではありません。
せっぱ詰まった日曜大工です。
じいちゃんが、道具持ちなので、作業がはかどる、はかどるo(*^ー ^*)oにこっ♪
母はペイント。(オイルステインを塗ってます)
「ロックは可愛く、さりげなく」が信条の母。
鍵つけました〜柵つけました〜ってのはイヤ。
ロックな館の女主人は要塞は嫌いなのっっl
はい、出来上がり。(ううっ、トールペイントしたいっ)

そうです、こうくんがバボーの絵本をどかどか出して遊ぶようになっちゃったんですね〜(ははは・・・そりゃ、いつかはすると思ってたけどね)
自称絵本収集家の母としては、ぜ〜ったいに許せないし、毎回片づけるばあちゃんも「こら、かなわんわ〜」って音を上げちゃったので、扉を作ってロックしたのです。
扉を開けるとこんな感じ。
板は、じいちゃんが、土間に敷こうと思って車庫に置いておいたコンパネを使ったので、私ら夫婦の出費は金具代のみ。(こうくんが寝ころんじゃう土間には藤のマットを敷いた)
これでしばらくは大丈夫・・・なハズ。

本棚の扉を制作中、こうくんがどうしていたかといいますと・・・


「ボクこのブランコ脱出不能なの。でも、いいの。ブランコ大好きだから。」


更に、今日はもう一仕事。

私ら夫婦とこうくん&バボーは2階の6畳2間に寝ています。
真夜中にこうくんが起きだして冒険しに出かけると大変なので、じいちゃんが廊下と階段の間に扉をつけてくれました。(もちろん両側からロックできる鍵付き。)

この扉を昨日、遂によじ登って越えてしまったのです。
すぐ下が階段なので、キケン。
今週の優先度ナンバーワンの父のお仕事です。
ま、上に柵をつけるだけなので、ものの30分で終了。
柵は、去年の一時帰国の際にじいちゃんが居間用に作って、2週間でこうくんに突破されて、オシャカになってたものの再利用。
やっぱ、木って色々な長さに切れるから再利用しやすいし、暖かみがあっていいわ〜〜〜

こうくんが成長する度に増えていく父のお仕事。
さてさて来週は、どこをロックし、何を制作する事になるんでしょう。
そろそろ台所がアヤシイと思うのだけれど・・・
(近々、ロックな我が家〜和風家屋編〜を更新予定。お楽しみに・・・・爆)


<追記>
↑を読んだ父がぽつり・・・
「おれっていつも丸首シャツでの登場だな。
なんか情けないから、今度からはTシャツくらい着ておこう」
ダイジョブよ、父。
私だって毎回エプロンつけての登場よ(涙)


<果てなき闘い>

帰国して3ケ月。
毎週末、日曜大工に追われるこうくん父。

そろそろ、家中がいい感じにロックされてきたので、
『ロックな我が家〜日本家屋編〜』をアップしようと思っていた。
ところが、こうくんが次々にロックを破り始めたのだっ。
一つのロックが破られると、その日一日は、もう家中足の踏み場もないほど
とんでもないことになってしまう。
こうくんを追っかけ回してそこら中掃除しまくってヘトヘトの母を見かねた父。
週末のみのせっぱつまった日曜大工が、平日の夜中の緊急大工仕事へと
ステップアップしてしまいました。

うちは古い農家なので、家中に「ふすま」や「ガラス戸」があります。
それをロックするには「釘」が一番!!
ふすまにドリルで穴を開け
ます。(下まで貫通させる
穴より一回り細い釘を
さし込みます。
はい、出来上がり。
全然目立ちません。

この方法は大変便利です。
目立たないし、開け閉めがラクだし、お金がかからないのが魅力です。
でもね・・・
破っちゃったんですよ、こうくん。
椅子も机もなぁんにも足場になるモノはない寝室の押入の「ふすま」を・・
どうやって???

しばらく観察していたのだけれど、普段よじ登りを厳しく叱っているせいか、
どうも母が見ている前では登らない。
そこで、少し離れた場所で寝たふりをして隠し撮り・・・・

ガラス戸の「さん」に足をかけてよじ登る。 長押(なげし)につかまる。 長押に手をかけたまま移動して、釘をゲット!! 釘を抜いて押入をあける。

わずか、10秒の早業。
初めて見たときは、あまりの見事さに拍手して大笑いしてしまいました。
まぁ、寝室の押入には布団しか入ってないのでいいのだけれど、
別の部屋の押入には、ゴーカケンランなおばあちゃんの衣裳やら
金庫やら大事なモノがいっぱい入っているので、
これは大変、一大事。
早速、父がバージョン・アップしてくれました。

ちょいと
板をかぶせました。
きっちり上まで上げないと
釘が抜けません。

「これでどうだっっ!!片手では絶対抜けんやろ」自信満々の父

クライマー・こうくんとカーペンター・父の闘いは続く。

もちろん、ロックが破られて困るのは、日中一人でこうくんを相手にしている母。
だから、母は父の完全勝利を固く、固く信じている。
信じているけども・・・・
バージョンアップしたロックを見ながらイケナイ思いが頭をよぎる。

「これって、こうくんの筋力アップトレーニングに協力しているだけなんじゃ・・・」

こうくんと暮らす私達に絶対安全な部屋などない。

<砂芸>

ずるずるずる・・・
こうくんの両脇に後ろから手を入れて引きずりながら道路を歩く母。
こうくんは、 足をくるんとまげたままてこでも歩かない。
抱っこしようとすると暴れて抵抗する。
病院の駐車場から受付までのほんの数十メートルが果てしなく遠く感じる。
ずるずるずる・・・
アンパンマンのくつのつま先部分のゴムが焼ける匂いがする。

ああ、あの頃は良かった・・・・・
ほんの1ケ月前のことなのに、とっても昔のことのように感じてしまう。

8月
おばあちゃんは仕事から帰ってくると、毎日のようにこうくんを
散歩に連れていってくれた。
もともと、こうくんは手を繋いで歩くのが嫌いです。
でも、1ケ月くらいしたら、結構な距離を歩けるようになりました。
もちろん、おばあちゃんの努力のたまもの。
やっぱり、毎日続けるって大事だなぁと痛感。


おばあちゃんとこうくん
手を繋いで歩いてますねぇ、かわいいですねぇ、泣けますねぇ・・・(涙)
雄大な景色の中を散歩すると、気分も軽くなりますねぇ。

農道で砂遊び
嵐の前の・・・・・
帰る途中でおじいちゃんに遭遇。
トラクターに乗せて貰う。

9月に入ったある日、突然こうくんは「砂」にはまってしまいました。
もちろん今までも、砂遊びは大好きだでした。
でもそれは、「砂芸」じゃあなかったです・・・・

地面にはいつくばってひたすら砂に身を投じるこうくん。
コンクリートのすきまの砂も絶対見逃さない。
掘ってはさらさら、集めてはさらさら・・・・・

かくして、こうくんは歩かなくなった。
外に出たら、砂しか目に入らない。
ただもう、砂を掘って、さらさらさら・・・・・・
何時間でも繰り返す。
やめさせようとすると、もちろん暴れる。

日課のおばあちゃんとの散歩は困難を極めた。
必殺ばあちゃんのオンブも効力を失った。(縄抜けしちゃうんです・・・)
母は、特別な用事がない限り外出もしたくなくなってしまった。

しばらくして、
家の中にばかりいるのに飽きたこうくんは、家中の土壁を掘り始めた。
かりかり、かりかり・・・・・・・・・・
最初は指で掘っていたのだけれど
おりこうなこうくんはある日道具を使うことを思いついた。
ブロックの角でがりがりがりがりがががががぁっっっ
集めた砂で砂山を作り、やっぱり、さらさらさら・・・
掃除機を何度かけても足の裏に細かい砂が付く。(コレって腹立つのよね)
こうくん父は大量のベニヤを購入し、家中の土壁に板を張り始めた。
我が家は古い農家なので、壁は全て土壁です・・・・

立派な土壁の床の間も、キレイにベニヤを貼って家具を並べたらホレこの通り・・・・・

窓の下のベニヤは、昨年の一時帰国の際に、おじいちゃんが貼ってくれたもの。

3週間ほどたって、ようやく一通り貼り終わった頃・・・・・・・始まりました、こうくんの反撃。
こうくんはやっぱりタダモノじゃなかった。
土壁があれば、どんなに高いところへでもよじ登って砂をゲットします。
母「こうくん、長押の上の土壁も掘るよ〜」
父「あそこまでベニヤ貼れっていうのかっ(怒)」
母「あ、いや、一応報告しておこうと思っただけだよ(;^_^A アセアセ・・・」

母は、いかにもベニヤ貼りましたって感じはもちろんイヤです。
わがままな母のおかげで父の大工の腕はどんどん上がります。
綺麗な額縁仕上げのベニヤの壁にうっとり・・・・・
隣の大工のKINちゃんに弟子入りする日も近いかもo(*^ー ^*)oにこっ♪
あ、いや、そんなのんきな話ではなかった。

いつまで続く、こうくんの「砂芸」・・・・・

<「砂芸」は続く・・・>

もう、腹をくくって、とことんサラサラにお付き合いすることにしました。
でも、砂だけにこだわるのはよくないので、色んな素材をサラサラさせて
「砂」はその中の一つ、にできればなぁと思っているのですが・・・・

最近のこうくんの一日。
それはなが〜い外遊びからはじまります。
折しも、稲刈りが終わって、田んぼにはいい感じの「わら」がいっぱいです。
コレで遊ばせない手はありません。
もちろん歩かないので、バギーに乗せて田んぼへ直行。(ホントはお散歩させたいんだけども)

だだっ広い田んぼで遊ぶ
こうくん
ご丁寧にわらをどかして、その下の
土で遊びます・・・・なじぇ??

1時間ほど田んぼで遊んだ後、暴れるこうくんをバギーに縛り付けて帰宅。
まだまだ、サラサラがしたいこうくんの為に
改装工事をしてるお隣から「かんなくず」や「木くず」を
ダンボール一1箱分頂いて来ました。
それを、父が盆踊りのくじでゲットした日本サイズの
ビニールプールに入れてみました。
第一ガレージはシャッターがついてるので逃亡もできないし、
雨の日でも大丈夫o(*^ー ^*)oにこっ♪

掃除が大変なので、
場所は限定。
ゴクラク・ゴクラク・・・

木くずに飽きると、おじいちゃんが作ってくれた第2ガレージのお砂場で遊びます。
ちょっと大粒なのでサンドアートにはむきませんが、さらさら感は得られます。
しばらく見向きもされなかった
第2ガレージの砂場
(おかげで母の愛車は
お尻が半分が濡れちゃうの)
2〜3日して、いい感じに砂が
乾いてきたら遊び始めました。
贅沢だなぁ

午前中いっぱいさらさらして遊んだ後はお昼ご飯を食べて休憩(母のね)
午後はタスクを幾つかして、ご褒美の感覚統合。
母は体力の限界を感じつつ、こうくんと体を使った遊びに興じます。

母の夕方は忙しい。
暇なこうくんは・・・・



やっぱりお土壁掘りでございます。(早くココも板貼ってよ、父!!!)


<紙芸の果て>

こうくん父のおかげで、すっかり土壁はなくなりました。
で、こうくんは次なるターゲットに紙を選びました。
丁寧に紙を半分に折っては破き、重ねて折って、又、破き・・・・
パラパラと目の前で落としては悦に入っています。
要らなくなったパンフとかチラシが材料なのでお金もかかりません。
所々に紙ふぶきの山を作るので、掃除も処理もカンタン。
とっても平和な遊びです(爆)
部屋中紙吹雪のお山がいっぱい とってもキレイに積み上げます。

久々に平和な時間を得た母は、大好きな読書にふけりました。
そう、コレがいけなかったんです。
こうくんを甘く見てはいけません。
ふと見ると、白い紙吹雪(にその時は見えた)の中に見覚えのあるビーズの飾りが混じっている。
ん???何、アレ?
ちょっと先には金の台座が・・・・・

紙吹雪制作中に見えるでしょ? 嗚呼、コ・・・コレは・・・

悔しいから、しつこく3枚も載せちゃう。
在りし日のエッグ・・・
(アメリカングースの卵の殻で作ったエッグ・クラフトです)
もちろん、ロックつきの飾り棚の中に鎮座していたのよ。

私に平和な時間などやっぱりない。

<父の試練>

バボーの小学校は毎年CBCこども音楽コンクールに参加している。
今日はその東海地区大会。



殆どが吹奏楽や金管合奏の中、バボーの学校は器楽合奏での参加。
しか〜も、なんと1年生から6年生の全校生徒で演奏する。
他校は全て高学年のみの参加なのだから、これは、はっきりいってすごい。
全校生徒16名(!!!)が一人も欠けることなく演奏に参加し、3年連続の決勝大会への切符を手にした。

ホントにいい演奏だった。
特に6年生の木琴部隊は圧巻だった。(何せ6回目の参加だモン)
7月にバボーが転校してきた時点で、すでに間違えずに演奏出来るレベルだったので、私も父も遅れて入ったバボーの事をとても心配していた。
とってもついていけないだろうから、みんなの足を引っ張りまくるんじゃないかと思っていた。
でもでも、バボーは夏休み中殆ど毎日あった練習に嫌がらずに参加し
メンバーの一員としてりっぱに演奏した。
泣けた。

演奏後、隣に座っていた他校の保護者(だと思う)がぼそっとつぶやいた。
「この学校の演奏、好きだなぁ。気持ちがいいよ」

審査員の批評の最後にも「幸せにしてくれる演奏」とあった。

トランペットやクラリネットといった華やかな楽器はないけれど、
聴く人を優しい気持ちにさせる音楽だった。
豊かな自然に育まれたのびやかな感性がそこにあった。

こうくんの通所先が決まらない中、東京勤務を断ったことを少し後悔した。
でも、今日、こどもたちの演奏を聴いて、やっぱり父の母校であるこの学校を選んで良かったと心から思った。
指導して下さった先生方のご苦労は並大抵ではなかったと思う。
バレエも水泳も途中できっぱり投げ出した前科持ちのバボーをよくぞここまで導いて下さったと、本当に頭が下がる。

帰宅後、もちろんビデオ上映会。
シンセサイザーを弾くバボーの手元がフォーカスされていく。
ああ、なんて一生懸命弾いてるんだ!!!
ホントに良く頑張ったねぇ、バボー。
ばあちゃん、号泣。
じいちゃん、涙目・・・・・
良かった、良かった。

ところで
器楽合奏はバボーの学校の伝統でもあり、父も小学校6年間を器楽で過ごした。
保護者の多くが器楽合奏経験者。
そんなわけで、12月の学芸会には「親子合同演奏会」というものがある。
コンクール参加曲を、親子で演奏するのだ。
20年以上も楽器を触ったことのない父も、めでたく今年から参加する。
最近ようやく日曜大工から開放された父。
今後の週末は器楽の練習に費やされることになった。
しか〜し、
こうくんがいる我が家で、のんきに練習することなど許されない。


こうくんの砂場遊び番をしながら、アコーディオンを練習する父。

四方八方に目を配り、時々逃亡するこうくんを楽器をもったまま追っかける(爆)
父の週末の試練はまだまだ続く・・・・・

<三人よれば文殊の知恵>

先日、バボーが喘息発作を起こしたので、お昼過ぎにこうくんをおばあちゃんにお任せして病院へ行った。

夕方帰宅すると、あれ?
家の中にいるのに、さっきと同じ服を着ている。
今日はお砂場遊びしなかったのかなぁ、ヘンだなぁ、と思っていたら、
おばあちゃんが「えっへん」の顔でのたまった。
「雨合羽、雨合羽」

これまで、お砂場遊びの後始末はとっても大変だった。
頭の先からつま先まで砂まみれになる上、手を洗うとき暴れるので
砂まみれ、水まみれで、毎回お着替えを余儀なくされていた。
が、しかし、おばあちゃんはレインコートを着せて砂場遊びをする事を思いついたのだ。
すげぇ。そりゃ、いい。何で今まで思いつかなかったんだろう。
あ、でも、頭は???
こうくんは帽子が大嫌いだ。

なんと、こうくん、レインコートのフードはぬがなかったらしい。
へぇ、そうなのか。
フードのヒモをしっかり結んで着せたら、髪の毛も砂まみれにならない。
なんて素敵な方法なんだ!!!
早速次の日から雨合羽作戦。
全くもって、素晴らしい。
かなり冷たくなってきた風も防げて一石二鳥。
手を洗うときだって服は濡れない。
着替えるのはズボンだけで済む。(どうせおむつは代えるから手間は同じだ)


通園先が決まらないから、使うこともないまま小さくなってお蔵入りしてしまうと思っていたレインコートがこんなに大活躍するとは!!!

コレってフードだけ折り込めばヘアカットにも使えるかもっっ。

やっぱり、 父と母だけより、じじ&ばばの協力を仰ぐと、
二倍、いや四倍のアイディアがわき出て工夫が広がる。
大家族っていいなぁ。

<無駄なテーコー>

こうくんの「柵の時代」はとっくの昔に終わっている。(参照・父の部屋「ロックな我が家」)
しかし、それは私達夫婦にとってであって、じいちゃん&ばあちゃんにとっては全然終わっていない。
じいちゃんはせっせと柵をこしらえ、ばあちゃんもそれを推奨している。

我が家は三方を山に囲まれ、前方には川が流れている。
なので、こうくんの外遊びには細心の注意を要する。
砂場遊びの際に、一瞬でも目を離すと裏山に足を踏み入れていたり川をのぞき込んでいたりするのでマジで生きた心地がしない。
で、じいちゃんは、要らなくなった物干し竿とプラスチックのネットで砂場の周りに柵を作った。



とってもイイ出来だけど、すぐ乗り越えるってば・・・・


ばあちゃんは台所の勝手口でこうくんが寝ころんでドロドロになって遊ぶので、そこら辺に転がっていたベニヤ板を見つけてきて、張った。

すぐにひっぺがすってば・・・・

まだまだ続く、じいちゃん&ばあちゃんの無駄なテーコー。

<ガレージを温室にするぞ計画>

こうくんの砂芸は続く。
最近めっきり寒くなってきて、外遊びのお付き合いがつらい日々・・・
かといって、外に出ないと暴れ出すこうくん。
そりゃあ、一日中家にいたら飽きるよね。
母だってイヤだ。

我が家にはお米の育苗用のでっかいビニールハウスがある。
当初、じいちゃんは、春先にしか使わないこのビニールハウスを
冬場のこうくんの遊び場にしようと計画していた。

しかし、残念なことに母屋の玄関とビニールハウスとの間には県道が横たわっている。



この道、意外にも大型トラックが結構通る。
しかも緩い下り坂の曲がり角に位置しているので、かなりのスピードでびゅんびゅん通り過ぎる。
とってもキケンだ。
行きはいい。
でも、帰ってくるときが大変だ。
何せ「ご飯だから終わりだよ」が通じないお子ちゃまなので、
大好きな砂芸を止めさせて連れてくるのは至難の業。
大泣きして暴れるこうくんを肩に担いで移動させている母を見て
じいちゃんは考えた。
やっぱり、庭でないといかんなぁ。

かくして、じいちゃんの「ガレージを温室にするぞ計画」が始まった。

ガレージのお砂場(柵付き)
すでに母の車は半分しか
入らない。
南側は透明浪板を
全面に貼るようだ。
側面は厚手のビニール
を貼り、取り外せるように
するらしい・・・

すごい大がかりだなぁ、大丈夫かなぁと思っていたのだけれど、
次の日、こうくんの訓練から戻ったら、もう出来上がっていた。

完成!!サン・ド・ルーム 温室の中(結構広い) 県道から見た所

どう考えても脱出不能だとは思うけれど
これまでも、不可能だと思われる脱出を可能にしてきた
こうくんなので、油断は禁物。
目は離しちゃいけない。
でも、トイレくらいは行けるし、洗濯物も取り入れることができる。
しか〜も、この温室、縁側に直接くっついているので
家の中からこうくんの様子が全部見える。
だから、砂芸中のこうくんを見ながら縁側で洗濯物だってたためる。
読書もちくちくも出来るじゃんか。
なんて素晴らしいんだ!!!
じいちゃん、有り難う。
これで思いっきり外遊びさせる事が出来るよ。
ん?でも待てよ。
これって、室内なんじゃ・・・・・?

ま、いいっか。
こうくんが思いっきり砂芸できるんだから。
めでたし、めでたし(今の所はね)

<歯医者はじめて物語>

先日、こうくんの口に電動歯ブラシを突っ込んでいたら
奥歯の全部に無数の穴を発見。
ま・・・まさか、恐れていたことが????
しっかり奥歯をみることが出来ないのでよく分からないけれど
確実に穴が空いている。

こうくんは、これまで歯医者にかかったことがなかった。
正確に言うと、何度もトライしたけどダメだった。
まぁ、虫歯があった訳じゃなく、ちょっと歯石をとって欲しかっただけなので、
そんな無理にやらなくても、と思って放って置いた。
しかし、この無数の穴を見てしまっては、真剣にならざるを得ない。

すぐにこうくんが週に1回通っている心身障害者センター内の歯科に予約の電話を入れた。
受付のお姉さんが綺麗な声でのたまった。
「当日は問診票などに書き込んでいただきますので、30分前にいらして下さい」
ちょっと待て。
こうくんを隣に待たせて30分もペーパーワークしろと・・・?
できねぇよ。

仕方がないので、おばあちゃんにこうくんをお願いして、問診票だけをとりに行く。
で、書いて受付に出して、その場で診察券も作って貰い、次回は診察券を出すだけの状態にする。
更に、歯科助手の方を捕まえてしつこいくらいにこうくんの状況を話していたら
たまたま、こうくんの心理担当の先生が通りかかって援護射撃をして下さった。
良かった。ここの歯科にして。

さて、当日、薬が効きすぎたのか、歯科助手の方がわざわざ入り口まで
出迎えに来てくれていた(恐縮)
私が受付を済ませる間に、こうくんが逃亡しないように、という配慮だった。
有り難い。
そういえば、先月受付で名前を記入している間に、押さえていた母の足を払いのけ
待合室に走り込み、他人のバックの中からポテトチップを取りだして床にばらまいてしまったことがあった。
たった漢字4文字書いてる間に、そこまで出来ちゃうお子ちゃまだもんなぁ。
なので、こういう配慮はとっても嬉しい。

さて、いよいよ本番。
こうくんは治療台に寝かされ、ネットで体全体をギュウギュウに押さえられる。
ここまできっちり押さえてあれば動けまい。
締め付けられる事が大好きなこうくんはご満悦の様子。
うん、うん、なかなかいい感じ。

でも、治療が始まった途端、こうくんは泣き叫んだ。
そりゃそうだよな。

開口器でこうくんの口を固定した先生の開口一番。
「お母さん、歯、磨けないの?すごいよ、この歯垢!!」
しゅん・・・
一応努力はしてるんですけども。

開口二番
「何?この奥歯。一体なに噛んでるの?全部欠けてるじゃない!!!」
「えっと、ブロックとか積み木とかスプーンとか・・・」(大ウソ)
「そういうのは、この子の手の届かない所にしまえないの?」
更に、しゅん・・・・
こうくんの手が届かない所がフツーの家にあるなら、教えて欲しい。

開口三番、四番、五番・・・(以下省略)
その度に私はしゅんしゅんしながら泣き叫ぶこうくんの頭を押さえて治療に協力する。
さすがに障害児専門の病院にいる先生だけあって、手早い、手早い。
歯垢や歯石をさらさらとはぎ取り、ボコボコの奥歯にマニュキアみたいな液を流し込んで穴を埋めて、更に、フッ素まで塗ってくれた。
所要時間7分。

こうくんの歯はすっかり綺麗になり、虫歯は1本もなかった。
それで十分。
ありがとう、先生。
先生のアドバイスは1つも実行できそうにないけれど
釘や電池や空き缶をあんまり長く噛むのは良くないんだということが
とっても良く分かりました。
欠けた部分は弱いから虫歯になり易いんですね。

ちなみに、ブロックや積み木なんて当の昔にロックの部屋に入っていて、こうくんの手に触れるのは課題をするときだけですわ。

治療後に、私の代わりに受付で手続きをしてくれた優しい歯科助手さんが
「先生にはこうくんの状態は説明してあったんですけど・・・・・」
とすまなそうにしていた。
療育相談に来てる訳じゃないのだから、歯さえきっちりみて貰えば
あとは何を言われたって平気。
しゅんしゅんしてれば済むんだから、楽な事よ。
ああ、大満足の一日だった。

ところで、こうくんもそろそろ6歳。
歯が抜ける日も近い。
抜けた歯はどうなるんだろう。
間違いなく飲んでしまうと思うのだけども。
カルシウムとして吸収されるんだろうか。
それとも、そのまま排泄されるんだろうか。
楽しみだ。

<白骨温泉で白骨?>

冬休みが始まった最初の週末に、私の妹し〜にゃん家族とスキーに行った。
こうくんも一緒に(!!!!!)

し〜にゃん一家は我が家に何回かお泊まりに来ているので、
こうくんのマニアぶりは十分知っている。
毎年10日以上はゲレンデで過ごすスキー大好き一家。
一人息子のりRONくんはスキーもスノボーもとっても上手な優しい小学5年生。
RONパパはリハビリテーション病院に勤めていて、障害者やお年寄りにとっても慣れている。
しかも、呆れるくらい面倒見がいい。
我が妹、し〜にゃんはヘルパー2級の資格なんぞも持っている。(あんまりカンケーないけども)
これ以上のメンバーはいまい。最強だ。

でも、ホントはちょっと不安だった。
だって、スキー場だよ、スキー場。
しかもクリスマスの。

でも、し〜にゃんがわてら家族のために選んでくれたのは
リフトが1本しかないファミリーゲレンデ。(ラブジェネで有名になったトコです)
キッズパークもあるし、無料休憩所にはベビーベットやおもちゃまでおいてあって、
快適、快適。

怖がるかと思ったバボーは意外にも勇敢・・・・
スキーはいて10分後
緩い斜面で練習
(ほ〜ぅ)
1時間後
何かサマになってきた。
(スゴイ、スゴイ)
3時間後
早くもリフト制覇
(ウソだろ〜)

バボーってこんな才能あったのね。
知らなかったわ。

さて、その頃こうくんは・・・・
まぁ、ソリも楽しい
けどもね。
ボクはやっぱりコレよ、
コレ。
滑りながらもしっかり
雪をゲット(左手に注目)

ソリに乗りながら、雪食べまくりでございます。
雪って汚いのに。(と思っただけ)
スノーブーツをはいたこうくんは雪の上ではなかなか上手に歩けないらしく、
動きがいつもの十分の一。
安全ですわ〜〜〜o(*^ー ^*)oにこっ♪

さて、そろそろ終わりにしようかと思っていた頃
し〜にゃんが動いた。
実は彼女、とんでもない野望を抱いていたのだ。

「こうくんにスキーはかせてちょっと滑らせてみようよ」

うはははははは・・・・
さすが、我が妹。
大胆不敵である。

大人3人がかりでスキーをはかせ、し〜にゃんが抱っこして滑る。
私と父は平らなところまで走り降りて待機。(スノーブーツで!!)
止まった途端にぐにゃりと座り込むこうくんのスキーを脱がせ、
もちろん歩かないこうくんをソリにのせて上まで運び上げ
又、スキーをはかせる・・・・
3回がわてら夫婦の体力の限界でした。

おお!!
滑ってる、滑ってる
滑りながらも雪は
食べるのよね
やっぱ、ソレですかぁ。
隣に放り出された板が空しい

し〜にゃん曰く、
「滑ってるときは軽いのに、止まった瞬間、漬け物石みたいに重くなる」
うん、うん。分かる、分かる。
し〜にゃん、お疲れさま(はあと)

大いに雪を楽しんだ私達がその日泊まった宿。
それは、し〜にゃんが乗鞍じゅうの宿に電話をかけまくって
ナント、40数件めにして出会った女神様(し〜にゃん談)のいる民宿。
詳しくは書きませんが、もう、大満足の宿でした。
ああ、配慮って嬉しい。
(場所を知りたい方は遠慮なくメール下さい。マジでいい民宿です)

大成功に終わるかと思われたスキー旅行。
帰りに立ち寄った「白骨温泉」でこうくんが脱走し、雪にはまって動けなくなり、
危うく白骨になるところをRONパパに救助されたというのは、
じいちゃんばあちゃんには絶対内緒です。

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